このCheer Up!みやぎを作るにあたり、自分が音楽を熱心に学んでいた時期のことを思い出したくなりました。
それで手にとったのは、久しぶりの「のだめカンタービレ」全巻。
何度読み返したことか。ギャグ要素満載でまったりと楽しめるし、それでいて音楽の描写は本格的ですよね。
最後のほうで出てくるのは、ラヴェルの「ピアノ協奏曲 ト長調」。
ジャズ要素もあり、軽快で聴きやすい曲です。この曲には思い出があり、いまapple musicで聴きながらいろんなことを思い出しています。


私が最初に入社したのはシステム開発会社でした。
深夜までの残業、土日の休日出勤の連続。
やってもやっても終わらない仕事の量だし、プログラマには頭の構造が向いていないようだし、苦痛で苦痛で、1年ちょっとでもう転職しようと思いました。

そんなある日、エレクトーンプレイヤーのコンサートに行ったのです。
私が一番好きな演奏家で、その日の演奏にはことさら感銘を受けました。
首都圏に転勤して、この演奏家のレッスンを受けたい!それには、退職を思いとどまって転職願いを出すしかない!
その願いは通じ、私は4ヶ月後には首都圏でその演奏家のレッスンを受け初めていました。

仕事は転勤しても相変わらず大変で残業も多かったけど、好きな演奏家に習うことが出来て、沢山のことを吸収して、幸せでした。
レッスンを受けてから残業に戻ったこともありました。
「エレクトーンのことばっかり考えてるようだけど、何で銭もらってるか忘れるなよ!」と上司にイヤミを言われたこともありました。
でも平気でした。エレクトーンが大好きだったから。



エレクトーンのレッスンは本当に楽しくて、クラシックもジャズも、さらには吹奏楽曲まで幅広く習いました。
でも、仕事のほうではストレスがたまる一方でついに体調を崩してしまいました。
転勤してから5年、退職して仙台に戻り、体調を治しながら人生を仕切り直す決意をしました。


エレクトーンのレッスンの最後の日。
先生は、「この前TVでラヴェルのピアノコンチェルト聴いたんだけど、すごく良くて!レッスン待ってる間に、ちょっとCDとスコア買ってきてくれない?」
新宿の世界堂の隣あたりにあった楽器店に行って、CDとスコアを買ってきました。

「聴いてみたいでしょう?」
先生はレッスンの前にCDをかけてくれて、2人でスコアを見ながら聴きました。
初めて聴くけど、とっつきやすくていい曲だなあとすぐ好きになりました。
そして、ずっと習ってみたかった先生と一緒に過ごした5年間。
先生は厳しかったけれど、沢山の曲を習って、時には先生がエレピで連弾してくれた。
プロの演奏家に習えて本当に幸せな5年間だった・・・。
仕事はうまくいかず、体調まで崩してしまったけれど、悔いのない5年間だったと、このピアノコンチェルトの美しい2楽章を聴きながら涙が出そうになったのです。


幸せな時は、自分が幸せであることになかなか気付けない。
でも、振り返って幸せな音楽の時間を沢山持てたことは今でも自分の財産です。